強くはなれなくても豊かに生きる

むっきーのブログ。心身ともにバランスを崩して、いろいろ駄目になりかけちゃいました。これからはもっとしなやかに、もっとしたたかに生きていこうと、考え方を変革中です。心優しい方々、私の成長を見守っていてください(^^)

(人生)闇を走る瞑想空間「夜行バス」

(むっきーの人生巡り日誌)

 暗闇の中を、大勢の人を乗せて走る夜行バス。その中で熟睡する人もいれば、眠れずにずっと起きている人もいるだろう。初対面の人たちが、男女ごっちゃになって狭い車内で寝て、目的地を目指す。なんて奇妙な光景だろうとずっと感じていた。でも、その反面、どこか居心地の良さも感じていた。

 

 私は学生のころ、よく夜行バスを使っていた。とにかくお金がなったので、東京・大阪間を4千円ほどで移動できるなんて大助かり。数えきれない程乗ったと思う。しかし、社会人になると、お金より時間の方が大切になった。時間が有り余っていた学生のころとは違って、社会に出るとお給料はそこそこ入るが休みがない生活になったからだ。これには共感するひとも多いと思うが。

 

 でもこの前、久しぶりに夜行バスを使った。大学生のころぶりだから、何年ぶりかな。眠れなさそうだし嫌だなあと思う気持ち半分、久しぶりで懐かしい気持ち半分。そんな思いで、夜11時過ぎにバスに乗り込んだ。

 

 席に座ると、私の隣に40代くらいの男性がやって来た。少し頭の毛が薄くて、片手にはおそらく食べ物が入った白いビニール袋。私に軽く会釈して、席に着いた。これからこの人と10時間くらい肩を寄せ合うことになると思うと、私も自然に「どうも」と小さく声をかけた。

 

 その後も続々とお客さんが乗り込んでくる。大学生風の男女、スーツを着たサラリーマン風の男性、パーマをかけた中年の女性、若い女性も。その中で、ひときわ目を引いたのは、赤ちゃんを抱いた30代くらいの女性だ。

 

 学生の頃、何度も夜行バスには乗った。でも、赤ちゃんを連れた人はこのとき初めて見た。女性はちょっと疲れている様子。赤ちゃんは寝ているようだった。少し申し訳なさそうな表情で、体を横に向けながら女性は後方の席の方に行った。

 

 この様子をみて正直驚いた。なかなか身動きが取れない夜行バスに、赤ちゃんを連れ込む。女性もあまりしたくはなかっただろう。たぶん女性には何か事情があるに違いない。そう感じて、いろいろと想像が膨らんだ。でも、女性に取ってはよけいなお世話だっただろうな。

 

 真っ暗な空間に、いろいろな人が眠っている。それぞれがどんな人で、どんな背景がある人かわからない。それだけに、本当に面白い空間だ。私はそんなことを考えながら、ずっと考え事をしていた。何を考えていたかを書くのは今回はよそうと思うけど、ざっくり言うとこれからの人生のことかな。

 

 まあ、考え事というか、ほとんど瞑想に近いかもしれない。カーテンの隙間からたまに入ってくる光を見ながら、ずっとじっとしていた。それが、なんだか居心地が良かった。うーん。なんなんだろうなこの気持ち。

 

 そんなことをしていたら、いつの間にか、眠りに落ちてしまっていた。何度か、サービスエリアにトイレ休憩についたなと気がつきつつも、そのまま眠る。そして気がついたら、目的地についていた。

 

 バスを降りて、すっかり明るくなった街で、背伸びをする。あれ、バスの中で何を考えていたんだっけ、と思うけど、あまり思い出せなかった。ちょっと悔しいけど、そのくらいがちょうど良い気がした。長時間シートに座っていたせいで、体は至る所が痛くなっていたが、なぜか頭はすっきりしていた。